ただの読書ログ

ひたすら読んだ本をアップしているだけの日記です。

対人関係療法でなおす 社交不安障害 自分の中の「社会恐怖」とどう向き合うか 水島広子


対人関係療法でなおす 社交不安障害

とても読みやすく、分かりやすい本です。社交不安障害の人が読んで、大いに慰められると思います。著者は日本における対人関係療法(IPT)の第一人者で多くの著書を持つ水島氏です。お恥ずかしながら、この本を読んで初めて、対人関係療法という心理療法を知りました。
参考:対人関係療法とは - 摂食障害(過食症・むちゃ食い障害)の対人関係療法 / 慢性うつ病(気分変調性障害)の精神療法 / 三田こころの健康クリニック

この本の中では、特に社交不安障害を「病気」であると認めることに重点が置かれています。「病気」であるとはっきり定義するのは、対人関係療法(IPT)の大きな特徴なのだそうですが、それにより、患者は自分と病気とを分けて考えることができ、治療に参加するように動機づけられるのだそうです。

中でも「病者の役割」という概念が新鮮でした。
参考:対人関係療法による治療のすすめかた〜医学モデルと「病者の役割」::聴心記〜対人関係療法専門@三田こころの健康クリニック〜

私はこれまで、選択理論心理学や、最近だと論理療法(REBT)の影響を受けてきたので、どうもいわゆる「神経症」を「病気」と認めることができないんですね。特に社交不安障害などの場合は、認知の歪みだ!と一刀両断しそうな傾向があります。エリス氏も神経症者は自らそうしているだけだ、みたいなことを言ってますね。

これに対し「病気」だと認めることで、治療がスタートしていくという対人関係療法の考えは、ある意味で目から鱗でした。また、個人的にも腑に落ちるものがありました。ただ、一冊読んでも、実はいまいち、対人関係療法というものの理論と枠組みは分かりませんでした。現在行っている論理療法(REBT)のお勉強に一区切りつけたら、対人関係療法も学んでみたいですね。


対人関係療法総合ガイド

書籍内容

あがり症、対人恐怖、赤面症、極度の引っ込み思案……など、人付き合いの面で強い恐怖心や不安を抱き、それが当人の社会生活に支障を及ぼしている状態のことを「社交不安障害」と呼びます。本書では、まずこの障害の理解や治療法をやさしく解説し、そして対人関係療法の視点から、この障害とどう向き合い、人間的に成長していくかの指針を示します。<目次>

はじめに
第I部 社交不安障害という病気を知る
第1章 社交不安障害とは
第2章 社交不安障害の症状の特徴
第3章 社交不安障害と対人関係のかかわり
第4章 社交不安障害に対する治療法
第5章 自分には治療が効かないと思っている人へ
第II部 社交不安障害に対する対人関係療法
第6章 社交不安障害を「病気」として認識する
第7章 治療で目指していくこと
第8章 対人関係療法で焦点を当てていくこと
弟9章 「役割不安」を乗り越えるために
第10章 社交不安に対処する上で役に立つ考え方
弟11章 「治療を終える」という考え方を、病気への取り組みに生かす
第12章 家族にできること
おわりに