ただの読書ログ(ヨシ・ノリハラ)

ヨシノリハラがひたすら読んだ本をアップしているだけの日記です。

コーチングのプロが教える 「ほめる」技術 Kindle版  日本実業出版社 鈴木義幸 (著)

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コーチングのプロが教える 「ほめる」技術

この本を買った理由

昨日読んだ、この本(「ほめる生き方」 マガジンハウス 西村 貴好 (著) - ただの読書ログ)これが、意外に良かったので、ほめるシリーズでいろいろ探していまして、出会いました。コーチングスキルを磨きたいと思います。アクノレッジメントという言葉は、初めて聞きましたが、この考え方は非常に重要ですね。

アクノレッジメントとは?

アクノレッジメントという言葉を英和辞書で引くと、「承認すること」と書かれています。この「承認」とは何でしょうか。  「ほめる」というのも、当然この承認の中に含まれます。またアメリカ人のトレーナーが私たちに見せてくれたような、その人がどんな貢献をしたのかを覚えていて、それを明確に言葉にして伝えてあげることや、一人ひとりに関心を示し贈り物をすることなども承認です。それ以外にも、声をかける、挨拶するといった何気ない日常のやり取りにいたるまで、「私はあなたの存在をそこに認めている」ということを伝えるすべての行為、言葉が承認にあたります。それが英語ではアクノレッジメントなのです。

ほめるもアクノレッジメントの中に含まれる概念です。それが分かると、ほめるという技術にグッと広がりが出る気がします。今まで聞いたことのない言葉でしたが、今後、私の人生でも重要な言葉となりそうです。

「この世の中には二種類の人がいる。一方はすきあらばアクノレッジメントしようとしている人で、もう一方はアクノレッジメントされることを待ってる人だ」

自分は今アクノレッジメントしているか?って、いつも考えたいですね。

目次

はじめに
プロローグ 田中課長の憂鬱

1章 人を動かすアクノレッジメント
1 アクノレッジメントとの出会い
2 なぜアクノレッジメントか
3 根性指導型の限界
4 承認型で成果を出す「体育会」が台頭してきた
5 ミドルにもシニアにもアクノレッジメントが必要

2章 認めること、ほめること
1 本当にほめる
2 スーパーアクノレッジメント、任せる
3 相手の影響力を言葉にして伝える
4 相手の存在価値を高める紹介
5 怒らずに叱る
6 自分で答えずに相手の意見を求める
7 謝ることの力
8 ノーという選択権を与える
9 部下を接待する
10 メールはクイックレスポンスで
11 贈り物をする

3章 たった一言で気持ちは伝わる
1 修飾せずに観察を伝える
2 頻繁に頻繁に声をかける
3 本気のあいさつ
4 別れ際の一言
5 意思のあるあいづち
6 リフレイン
7 部下に対するリフレイン

4章 人によって接し方はさまざま
1 4つのタイプ
2 コントローラーに対するアクノレッジメント
3 プロモーターに対するアクノレッジメント
4 サポーターに対するアクノレッジメント
5 アナライザーに対するアクノレッジメント

5章 相手にあったコミュニケーションを選ぶ
1 若い人には理由をきちんと説明する
2 新しい部下をチームに溶け込ませるには
3 さりげなく女性社員をほめる
4 年上の部下との接し方
5 上司に対するアクノレッジメント
6 営業上手は「売らない」
7 子供とうまく接するためには
8 配偶者にもアクノレッジメントが必要

6章 アクノレッジメントで何が変わったのか
コーチング研修
課の会議
息子との会話
コーチとの対話

内容

「どうすれば人は動くのか」―上司や親、チームリーダーなどの立場にいる人にとって、常に悩みのタネでしょう。人は、他人から指図される「他己説得」より、自分自身を説得する「自己説得」のほうが、早く目的地に到達できます。質問を投げかけ、本人が答えを考えるように導くことが大切です。そのさいに有効な手法が「アクノレッジメント(存在承認)」。相手をほめ、認め、声をかけ続けることです。

印象的なコメント

大変、印象的な事例が多く、どれかを紹介するのは難しいのですが、あ~、これも、あれもアクノレッジメントなのか?と気がつかせてもらったコメントをいくつか引用してみます。

どんなほめ言葉が必要かを考える

トミー・ラソーダ元ロサンジェルス・ドジャース監督をご存じですか。野茂英雄投手が最初に渡米した時の監督さんです。  彼は現役時代、投手として二勝三敗という成績しか残しておらず、いってみればまったくぱっとしない選手でした。それがマネジャーとしてはとにかく群を抜いていて、2A(三軍)や3A(二軍)のチームを優勝に導き、その手腕を買われてメジャーの監督に抜擢された人です。  彼はいいます。ほめるというのは、ただ「すごい!」「すばらしい!」と美辞麗句を投げかけることではない、と。相手が心の底で、他人から聞きたいと思っている言葉を伝えて初めて、「ほめる」という行為は完結すると。  だから彼は観察と試行錯誤を大事にします。


例えば、ジョンという選手がヒットを打ったとします。するとラソーダ監督はいいます。  「ジョン、お前は天才だ!!」ところがジョンは顔色一つ変えません。淡々と「サンキュー、ボス」と返しただけ。これは違うなとラソーダ監督は思います。  しばらくしてまたジョンがヒットを打ちます。今度はラソーダ監督は違ういい回しを試します。  「ジョン、あの低めのストレートをよく軸をぶらさずに振りぬけたな」 ジョンがほんのちょっぴり笑みを漏らすと、ラソーダ監督は思います。「これだ」。


ほめることは技術です。何気なく人がほめられるかというと、そんなことはありません。相手をよく見て、相手が日々どんなことを思っているのかを洞察して、どんな言葉を投げかけられたいのかを熟慮して、初めて「ほめ言葉」は発せられるべきものです。

ラソーダ監督は素晴らしいですね。こんなふざけたイメージしかありませんでしたが・・・名コーチです。

野茂がドジャースで脚光を浴びたときに話題になった監督ですね。すごいなと思うのは、ひとりひとりのツボを見極めてほめるという技術。単に、すごい、すばらしい、と連呼するだけではありません。「ほめる生き方」の割合、シンプルなテンプレート思考とは違います。私も、ほめられてもうれしいときとそうではないときがあるので、この点がもっともグッときましたかね。

相手の立場になって、あの人だったらどんなほめ言葉が嬉しいだろうか?と考え抜く習慣はぜひ身に着けたいと思いました。結局、そうすることが、本当に相手のことを考え(注目している)証拠ですよね。その費やした時間もエネルギーも本物ですから、本物のほめ言葉がかけられます。著者が何度も述べていますが、結局のところ、ほめ言葉と「観察力」は密接につながっています。

メールの返信もアクノレッジメント

「向こうが投げたボールに対して、そのボールをすぐに返す、というのは相手に対するアクノレッジメントとなります。逆にボールをいつまでも返さないでいると、その程度にしか自分のことを思っていないのだと思われかねません。」


「みなさんも、メールにはすぐに返信しているよと思っているかもしれませんが、問題は部下から来たメールに対してそれをしているかということです。「えっ、もう返事が来たんだ」というようなスピードで。できれば相手に対する承認と感謝の言葉を添えて。相手が一瞬そのメールから視線をあげられなくなるような言葉を添えて。ぜひ試してみてください。」

私はもともとメールの返信が超早いのですが、これを知り、改めてこの技術に磨きをかけたいと思いました。まあ、バッチ処理しなければ、気が散らされてしまう原因にもなるのですが、それにも増して、すごいメリットがあることを思い知りますね。特に、人間関係を築くメールは返信を早くすべきですね。

贈り物もアクノレッジメント

贈り物をされるとうれしいのは、突きつめると、自分のために時間と体とお金をわざわざ使ってくれた、その相手の努力が贈り物の向こう側に垣間見えるからです。ポイントはどれだけの努力がそこに介在するかです。高額であれば良いというものではありません。このように君のことを大切に思っているというメッセージを「もの」に乗せて伝えるのです。

私はかなり贈り物をするほうです。小さなお菓子などをよく人にあげますが、この人にはこれがいいんじゃないか?この人にはこれかも?と思いを巡らせると気分がとてもよくなります。メッセージをものに乗せるというのがよく分かります。

あいさつもアクノレッジメント

企業を訪問したり、お店に買い物に行くと、あいさつには二種類あることがわかります。一つは自ら進んで行う「自分のウィル(意志)」でしているあいさつで、もう一つはやらされている感が透けて見える「他人のウィル」でしているあいさつです。前者を聞いた時には、アクノレッジされたとの思いが高まりますから、瞬間的に距離が縮まるのを感じます。後者に触れた時は、ただ「音」が聞こえたという印象で、それによって関係が変化を起こすことはありません。


全員が全員ではないでしょうが、確かにディズニーランドのスタッフのあいさつにはウィルがあります。「おはようございます」の一言を決していい加減には発していないのです。入場ゲートでチケットを見るスタッフであれば、一日何千回も「おはようございます」や「こんにちは」をいうでしょう。でも一回が色褪せていません。そこにはゲストを大切にしようというウィルがあります。だからこそ毎回のあいさつがアクノレッジメントになるのです。  ということは、ディズニーランドにいるとあちこちのアトラクションの受付等で一日に一〇〇回ぐらいアクノレッジメントされたことになるわけです。すなわち一〇〇回存在を肯定されたことになります。これはとてもすごいことです。ディズニーランドにリピーターが多いのは、アトラクションの内容云々の前に、まずこのあいさつがあるからだろうとさえ思います。

単純なことですが、あいさつすらアクノレッジメントになります。これも自分の経験を通してよく分かります。先日、床屋(フランチャイズ・激安)に行きましたが、入ると「いらっしゃいませ、こんにちは~!」と声を出す教育を店員は受けています。みな、作業をしながらあらぬ方向を見ながら、大声であいさつします。もちろん真心は感じません。こちらもそんなものだと思っています。しかし、自分が髪を切られている最中に、店員が新たに入ってきたお客さんに向かって、私の耳元で「いらっしゃいませ、こんにちは~!」と叫んだのには驚きました。

まあ、そういうルールなのでしょうが・・耳元で、こっちにむかって、それを叫んでどうするのか?と。ここに、意志の無いあいさつというのが存在します。これは、しないほうがいいくらいなものです。しかし、本当に真心がある挨拶はすぐに分かります。本当にすぐに。

真心をこめた挨拶を思いにとめてみたいと思います。これすらアクノレッジメントなのです。

観察したことを、ただ述べるだけでアクノレッジメントになる

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 前出の「野球人」清水さんは、二〇〇一年の四月から九月まで、埼玉県のある高校の野球部の総監督として指揮を執っていました。いきなり降って湧いたような監督が、選手の心をつかむために最初の三週間でとにかく努めたのが、選手を穴があくほど観察することだったそうです。  そして見たことをただ伝えてあげるのです。

「今朝はずいぶん早く来て練習の準備をしていたな」「君はすごくスパイクやグローブを大切にしてるんだな。よく磨いているところを見るよ」「君は声が大きくて通るな」。とくにほめているわけではないけれど、ことについては知っているよ、気が付いているよと、ただ繰り返し繰り返しメッセージを投げかけました。


すると一か月ほどで選手の「好奇の眼」は「信頼の眼差し」に変わったそうです。  そして、この高校は夏の全国高校野球選手権大会で見事甲子園初出場を果たしました。

 とにかく観察です。部下を見ることです。見ていないと何もいえません。今日部下がどんなネクタイをしていたか覚えていますか。どんな靴を履いていたか知っていますか。髪形がぱっと思い浮かびますか。部下が話をする時に好んで使う表現を知っていますか。家ではどうでしょう。奥様を、旦那様を見ていますか。お子さんを見ていますか。  本当に見ていますか。

ほめることが無いのに、ほめ言葉を述べようとすると、わざとらしくなりますし、見透かされると逆効果となります。しかし、観察し、観察したことを越えに出すだけなら、できますね。先日、若者と一緒に仕事をしましたが、彼がほとんどしゃべらず、愛想が無く、ほめるところを探すにも、なかなか難しい状態でした。そういう場合でも「姿勢がいいね。」とか、「時間通りに行動していますね」とか、特に称賛するわけではなくても、ちゃんと「見てるよ」ということを伝えることはできると分かりました。

これはとても興味深い理解でした。早速やってみようと思います。アクノレッジメントは、結局「技術」です。それを下心をもって使おうとしても、わざとらしくなるだけです。いかに、嫌みなく、気持ちよく、「生き方」として用いられるか。著者ののべるように、いわゆるやり手の営業マンは、みな「アクノレッジメントの達人」だったということはよくわかります。

結局、そういう人が好かれるのです。これは、人生成功の秘訣かもしれませんね。

まとめ

単なる自己啓発本にとどまらない素晴らしい本でした。一部フィクションで、部下の育成に行き詰る課長の話が登場します。彼に対してコーチが最後にのべる言葉が印象的でした。アクノレッジメントが生き方だということが分かりますし、それが、自分をも、周りの人々をも、人生の質も大きく変えちゃう力があることが分かります。

「実は、私自身が、このコーチングというのを始めて、いちばん良かったなと思うのがそれなんです。私も昔はどちらかというと、誰か自分のことをアクノレッジしてくれないかなとずっと待っていました。でもコーチングに触れて、相手からアクノレッジされる前に、まず自分から相手をアクノレッジしようと思うようになった。その結果手に入れたのは、人に対する恐れが前よりもずっと少なくなったということなんです。昔は人前で話をしていても、ちょっとした人の表情の変化に影響を受けたものですが、最近それがとても少なくなりました。この違いは大きいなって思うんですね。人に影響されなくなったから、前以上に人が見える。だから相手に対してさらに多様なアクノレッジメントを伝えることができる。好循環ですよね。」

ほんと、おすすめの本です。素晴らしい!


コーチングのプロが教える 「ほめる」技術

この本に触発されましたので、この本も読んでみたいと思っています。著者の数珠つなぎで本を買って読むというのははずれが無いですので。


セルフトーク・マネジメントのすすめ

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